忘れることにするのですか
−憲法九条二項のうた−







−「憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人
の発言」の中村 哲さん等の発言を読んで−
詞:くるいひとし

忘れられますか ヒロシマ・ナガサキを
        原爆の惨禍を ああ あの地獄絵を

忘れられますか 310万の死者
        取り返しのつかない あゝ あの犠牲を
忘れられますか 死者2000万 
        あのアジアの民の甚大な犠牲を

忘れていませんか 大きな大きな犠牲を払った上での 大きな結論
忘れていませんか 反対わずか五票 圧倒的多数で決めたんだということを
忘れていませんか とにかくよかったのは戦争の放棄だと
                       国民も大歓迎したことを
日本国憲法九条二項 日本国憲法九条二項

よくよく考えましょう ご先祖さまの大きな犠牲の上に築いた大きな結論
よくよく考えましょう ご先祖さまは何故九条二項をつくったのか
よくよく考えましょう ご先祖さまが下した あの結論を
           かくも大きく崩していいものか
  [略・・・「前項の目的を達するため、」・・・略]
「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」 保持しない
「国の交戦権はこれを認めない」 国の交戦権はこれを認めない

まっすぐみましょう 日本国憲法は ご先祖さまがつくったということを
          日本のためにつくったご先祖さまは
               日本人以外の何者でもないということを
まっすぐみましょう 九条をないがしろにすることは
          310万の魂を 2000万の魂を
                 虚仮(こけ)にすることだということを
          ご先祖さまを 虚仮(こけ)にすることだということを
まっすぐみましょう 努力して復興をとげ
          経済的な豊かさにもかかわらず
          他所の国に戦争をしかけなかった国
          “戦争をしない国”を育ててきた半世紀を
日本国憲法九条二項 日本国憲法九条二項
  [略・・・「前項の目的を達するため、」・・・略]
「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」保持しない
「国の交戦権はこれを認めない」 国の交戦権はこれを認めない
あー あー あゝ あー

 

ひと言:
<くるいひとし>
 後藤田正晴さんがお亡くなりになった。好きな政治家でした。
戦争に対する姿勢と、あの笑顔が好きでした。「忘れることにするのですか」が概ね出来上がったときでした。

 平成17年(2005年)9月11日、通販生活の付録にもなっている岩波ブックレットNo.657
「憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言」(中村 哲さん等)の発言を読んだ。
特に中村さんの発言は、美輪明宏さんの発言とともに、経験に裏打ちされた説得力のある簡潔な発言に改めて得心したことだった。
TVの選挙報道があったその夜、メモ代わりに詞にしてみた、完成までに数日、曲完成までに約2週間かかった。
曲は四苦八苦、出来はともかく何とかできたという感じ。
 一見、長い曲のようにみえるが、歌詞付けの便利さと楽譜の作成上の問題から、そうなっているだけで、実際のメロディは繰返しが多いので難しくはないと思う。
 また、誇るべき九条ニ項という内容も歌詞に入れようかと迷ったが、あまり広げるよりも誰にでも分かりやすい範囲に止め、「気持ちを込めて淡々と」歌うことをイメージしていました。
その気持ちは最後の“あー あー あゝ あー”に込めたようにも思う。 が、この“あー あー あゝ あー”は、人によって、その内容は様々になるだろうと思う。

 なお、詞が出来た段階でインターネット上にある「創作の広場」「創作倶楽部」に投稿したが、創作面での反応は今日現在皆無であった。
最終版では「曲名」を微妙に変え、歌詞付けの面等から表現を若干変えた。